厚生年金基金制度は、国の厚生年金の給付の一部を代行し、さらに企業が独自の上乗せ給付(プラスアルファ部分)を行う制度です。
設立の形態により次の3つに分けられます。
単独設立型:1つの企業が単独で設立
連合設立型:企業グループ内の複数の企業が共同で設立
総合設立型:同種同業又は一定地域内の複数企業が共同で設立

なお、AIJ投資顧問による年金消失問題を受け2012年4月から厚生年金基金制度の見直しの方向性についての審議が開始され、2013年6月の改正(公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律)により、厚生年金基金制度が大きく見直されました。
1.施行日(平成26年4月1日)以降は厚生年金基金の新設を認めない
2.施行日から5年間に限り、特例解散制度を見直す
3.施行日から5年経過後以降は、一定の基準を満たさない厚生年金基金に対し厚生労働大臣が解散命令を発令できる

この解散を促す法改正がなされたのを機に解散を決断する基金が増えています。

この厚生年金基金解散の際、非常に重要な注意点があります。

厚生年金基金は、本来、国が支給する”老齢厚生年金の一部代行部分”プラス厚生年金基金の”上乗せ部分”を、企業及び業界独自の厚生年金基金を通じて年金給付を行う制度です。

この”一部代行”が重要なポイントです。

厚生年金基金は解散になると、通常加入員は”上乗せ部分”を年金か一括受取を選択する事になります。この選択で年金受領は終了だと思って居る方が大変多いのが現状です。

しかし、”国の代行部分(最低責任準備金)”は厚生年金の一部なのですぐには加入員に支払われずに、企業年金連合会に移換され、厚生年金の受取時期まで運用保管されます。

解散後の移換及び給付の流れ(資料:企業年金連合会)

国の代行部分支給までの流れ:

1.まず、企業年金連合会から以下の様式で解散した厚生年金基金からの年金の引き継ぎのお知らせ(年金支給義務承継通知書)が該当者の登録されている住所に送付されます。

なお、ねんきん定期便には厚生年金基金が「代行返上」を行っている場合は、厚生年金基金の加入期間は表示されていません。

.代行部分支給時:
解散した厚生年金基金の代行部分を受給するには、国の老齢厚生年金の受給権が発生していることが必要です。よって、代行部分の手続きには、国の老齢厚生年金の年金証書の写しが必要になります。
国の年金証書が交付されたら、国の基礎年金番号等を企業年金連合会に知らせる必要があります。国の老齢厚生年金の受給権を確認次第、「企業年金連合会老齢年金裁定請求書」と「年金の請求手続きについてのご案内」が登録されている住所送付されます。詳細はこちらを参照!

従って、解散した厚生年金基金に加入していた方は、まず企業年金連合会に自分自身の代行部分が移換され支払い義務が引き継がれているか確認する必要があります。心当たりのある方は、企業年金連合会のHP”企業年金記録確認サービス【照会】”又は電話で確認される事をお勧めします。

インターネットでの企業年金記録確認サービスはこちらをクリック!

次に、企業年金連合会の重要なお知らせは登録されている住所に送付されますので、住所変更や結婚による苗字の変更があれば必ず企業年金連合会に報告しておく必要があります。報告していないと、企業年金連合会から連絡が出来なくなり、最終的にはまぼろしの厚生年金になってしまう可能性があります。

少し古い記録ですが、2007年9月企業年金連合会が、60歳以上の受給資格者の約3割にあたる124万人に、本来支払うべき年金を支給していない事実を公表しました。

なお、「移換完了通知書」・「年金の引き継ぎのお知らせ」が届いていない方一覧を企業年金連合会のHPで検索できます。移換完了通知書」・「年金の引き継ぎのお知らせ」が届いていない方一覧はこちらをクリック!

自分自身でまぼろしの年金にしてはいけません。