金融市場と金融商品及び金融技術の専門家である櫻井豊氏の著書。

米国では、海外では信じられない勝率を誇るロボ・トレーダーを操る株式の超高速取引業者や為替市場や原油の先物市場など流動性が高い取引市場もロボ・トレーダーの活躍の場所であると紹介されています。加えて、有名ヘッジファンドによるロボ・マーケットメイク業務の参入などで、金融機関が市場の主役でなくなる日はもはや道半ばまで来ている状態ではないかとコメントされています。代表的なヘッジファンドとして、ブリッジウォーターとルネッサンス・テクノロジーが紹介されており、両社とも積極的に数学、物理、コンピューター分野の専門家を引き抜いています。又、資産運用業界の巨人、例えばネット証券大手のチャールズ・シュバブ、も人工知能を駆使したロボ・アドバイザー事業に進出しています。ロボットに職務が脅かされる人の数という意味では、ロボ・アドバイザーの攻勢を受ける運用アドバイザーの方が運用者よりは深刻で、人間のアドバイザーとして生き残るには、ロボ・アドバイザーの投資欠点まで精通するほど知識を持つ一握りのプロか、人間的触れ合いのの部分だけで顧客に割高な手数料を支払わせることができるアドバイザーではないかとコメントし、いずれにしても、資産運用業界は21世紀におけるロボット化の波を最も早く受ける業務となると判断されています。      

金融業の多くの非単純労働がロボット化の対象

なお、日本ではまだフィンテックの多くは便利な機能止まりで、金融機関の経営を含めた日本社会は、米国でのヘッジファンドや超高速ロボ・トレーダーのような裏舞台の実情に疎すぎるとの事です。加えて、日本ではヒト型ロボットに愛着を感じるが、目に見えないロボットには無関心との指摘がありました。

人工知能について大変参考になる書籍で、一読をお勧めしたいと思います。

週刊ダイヤモンドでは金融界を席巻するフィンテックの台動で、金融エリートの職種の将来は危ぶまれているとして、フィンテックベンチャー首脳90人が答えた「余命ワーストランキング」を掲載しています。赤字:なくなるまでの年数                             第1位 リスク管理担当 6.2年        第2位 外資系生保営業 6.6年           第3位 銀行窓口業務 6.8年         第4位 ディーラー 6.9年          第4位 アナリスト 6.9年           第6位 融資審査担当 7.1年         第6位 証券営業(個人向け)7.2年      第8位 銀行営業(個人向け)7.2年      第9位 生保レディース 7.4年        第10位ファイナンシャルプランナー7.9年

上記のなくなるまでの年数についての真偽は別として、ファイナンシャルプランナーもAIに対してどう対応していくのか真剣に考えていく必要があると思われます。