個人型DCの掛金は全額所得控除の対象で、例えば所得税10%の加入者であれば住民税10%と合わせて掛金全額×20%が控除金額になりますが、この控除20%が同時に拠出期間中の運用に対して年率20%のメリットを与えるという事では決してありません。

具体的にキャッシュフローで考察していくと、年間の掛金合計額に関してサラリーマンであればその年の12月に所得税の還付があり、住民税は年間の掛金合計額の10%が翌年6月から1年間毎月均等控除されます。しかしながら、翌々年の5月には2年前の年間掛金合計額の所得控除は全て終了しますが、運用は続いていきます。従って運用期間が長くなればなるほど20%のメリットは年率利回りベースでは減少していく事になります。

以下のキャッシュフローで実際の年率利回りを検証しました。

掛金月額:1万円

所得税率:10%

運用期間:20年

運用益:ゼロ

なお、20年目最後の月に計算上翌年6か月分の住民税控除が行われるとしています。

エクセル関数:XIRR

年率利回りは2.1%になりました。この年率利回りに実際の運用年率利回りを加えれば、実際の所得控除後運用年率利回りになります。

それぞれの所得税率・運用期間別に沿って、年率利回り(運用益はゼロとして計算)を計算しました。

やはり所得税率の高い高額所得者を除き、掛金の所得控除だけでは充分な年率利回りを達成出来ません。従って、個人型DCの運用においても、老後資産形成の為には、積立投資の強みを生かして株式関連の投資信託への運用が必要になると判断されます。