以前ブログの記事「為替ヘッジ付き債券投資信託(1)」でも取り上げましたが、為替ヘッジ付投資信託の基準価額は1)対象運用資産の価額の変動(債券であれば金利が上がれば債券価額は下落し金利が下がれば債券価額が上昇)及び2)為替ヘッジコストの変動に影響を受けます。為替ヘッジ付き投資信託(1)の記事

さて、最近為替ヘッジコスト(ドル調達コスト)について上昇している報道記事が多く見られるようになりました。10月4日付日経新聞朝刊の記事では「投資家は外債に投資する際、為替変動による損失を回避(ヘッジ)するための取引をすることが多い。SMBC日興証券の野地慎為替・外債ストラテジストの試算では、ヘッジコストは9月末に1.7%まで急上昇した。米連邦準備理事会(FRB)が利上げを視野に入れる一方、日銀の異次元緩和はさらに長期化することが必至だ。円に対するドルの「希少価値」が高まり、それがヘッジコストに反映されている。」とあり、以下のヘッジコスト推移のグラフが掲載されていました。

ヘッジコスト推移

また、9月30日付のロイター記事「焦点:ドル調達コストが急騰」ロイター記事も大変参考になります。この記事では「為替スワップの原資産であるドルLIBORに高止まりや上昇余地がある中で、日銀がマイナス金利の深掘りを実施すれば、同じく原資産である円LIBORのマイナス幅拡大が見込まれ、この結果、当然ドル調達コストは一段と上昇する。」とコメントされています。

最後に、為替ヘッジコストの影響をチェックする為、為替ヘッジ付き債券投信「ジャパン・ベターインカム・ファンド」ついて2016年4月末及び8月末の為替ヘッジ及び信託報酬後の最終利回りについて検証しました。

 最終利回り計算式=社債の最終利回り(米ドルベース)ー為替ヘッジコストー信託報酬

利回り部分について、ファンドの8月末最終利回りは社債の利回り低下及び為替ヘッジコスト増によりマイナスになっています。ただし、社債利回り低下による債券価格の上昇メリットがキャピタルゲインとしてプラス要因になっています。ただし、今後米国金利上昇による債券格価格の下落及び高止まりする為替ヘッジコストを鑑みますと、為替ヘッジ付き米ドル建債券ファンドのパフォーマンスは厳しい状況が続くと予想しています。

今後の動向には注意が必要で、為替ヘッジ付投資信託に運用されておられる方は基準価額の推移やマンスリー・レポートを小まめにチェックされる事をお勧めします。