まず初めに、投資するインデックスファンドについてその基準価額の上昇・下落の根拠について投資家として完璧に理解している事が重要であると思っています。例えば、日経平均に連動するインデックスファンドであれば、日経平均が1%上昇すればその基準価額も約1%上昇しますので基準価額の変化の根拠も明白です。

それでは、分散投資として必要とされている海外株式インデックスファンドはどうでしょうか?一般的に海外先進国株式インデックスファンドとして投資されているのはMSCIコクサイインデックスに連動するファンドです。

MSCIコクサイ インデックス(米ドル建て)

MSCI コクサイ インデックスとは、モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル(MSCI Inc)が算出し公表している国際的な株価指数で、日本を除く先進国22カ国の上場企業の株式指数で構成されています。銘柄は1400種以上に及び、各国の時価総額の85%以上をカバーしており、時価総額加重平均にて構成比率が算出されています。MSCIコクサイ インデックスは、外国株式で運用を行なう日本の機関投資家や投資信託のベンチマークとして用いられます。なお日本ではMSCIコクサイ インデックスを円換算した指数を用いています。

従って、まずそれぞれの国の個別銘柄の株価変動及び米ドルに対する各通貨(例えば英ポンド・ユーロ)の為替レートの変動によって日々MSCIコクサイ インデックスが米ドルで指数として計算され、次に日本では米ドル建てから円換算した指数が計算され、その指数に連動しているのが海外先進国株式ファンドです。これでは、個人投資家にとって日々の基準価額の変化の根拠は理解の領域を超えています。

また、海外新興国株式インデックスファンドについてもMSCIエマージング・マーケット・インデックスを円換算した指数に連動していますが、新興国23ヵ国、約860銘柄を対象にしていますので、日々の基準価額の変化の根拠は個人投資家にとっては同じく理解の領域を超えています。

それでは、海外株式インデックスファンドはどのインデックスに連動するファンドであれば基準価額の上昇・下落の根拠を個人投資家として完璧に理解できるのでしょうか?そのインデックスとは米国株式のインデックスになります。即ち、                                 1)ダウ・ジョーンズ工業平均株価                              

2)S&P500                                         

3)NASDAQ100(金融株を除くNASDAQ銘柄の指数)                           になります。                                         

上記の指数に連動する米国株式インデックスファンドの基準価額の上昇・下落は、それぞれの指数の前日比当日の米国市場での上昇率・下落率及び翌日の日本市場での前日比米ドル・円為替レートの上昇率・下落率で決定されます。なお、米ドル・円為替レートは三菱東京UFJ銀行が毎営業日発表する午前10時での米ドル・円TTBが適用されます。三菱東京UFJ銀行外国為替相場一覧表はこのサイトでチェックできます 従って個人投資家にとっても基準価額の変化は完璧に理解できますので、海外株式インデックスファンドに投資するのであれば米国株式インデックスに連動するファンドをお勧めしたいと思います。

しかしながら、米国株式インデックス・海外先進国株式インデックス・海外新興国株式インデックスの過去のパフォーマンスも検証しておく必要があります。

エマージング・マーケットの1年を除いて、その他のすべての期間において米国株式がべストのパフォーマンスを挙げています。やはり、米国株式市場がその他の世界の株式市場を先導しています。もちろん、将来も確約する訳ではありませんが参考に出来る数値です。

加えて海外ETF(米ドル建)での検証を行います。(出所:モーニングスター)

同じく新興国株式に連動するETF(EEM)の1年を除いて、S&P500に連動するETF(IVV)がリターン(年率)においてベストですし、標準偏差は最少でシャープレシオは最大です。

従って、海外株式インデックス・ファンドへの投資は、パフォーマンスの観点からも米国株式インデックスに連動するファンドへの投資のみで充分だと判断出来ます。

次に、3つの米国株式インデックスについて比較をしておきます。(過去5年間)出所:ブルームバーグ

                 

橙色線:NASDAQ100・青色線:S&P500・赤色線:ダウ・ジョーンズ工業平均株価

パフォーマンスの順は、NASDAQ100、S&P500、ダウ・ジョーンズ工業平均株価となっており、NASDAQ100のリターンはダウ・ジョーンズ工業平均株価のリターンの約2倍になっていますが、過去1年間では、11月16日現在パフォーマンスの順は、ダウ・ジョーンズ工業平均株価、S&P500、NASDAQ100となっています。

加えて海外ETF(米ドル建)での比較です。(出所:モーニングスター)(2016年10月30日現在)

次に、以下の様な米国株式インデックスに連動するファンドが設定されています。各インデックスに連動する一番競争力のあるファンドを選択しました。

三菱UFJNASDAQオープンは、信託報酬も高いですし、ベンチマークとの乖離が大き過ぎます。

やはりNASDAQ100に連動するファンドの登場が待たれます。

なお、NASDAQ100に連動する国内上場投資信託は上場されていますが、一般的に海外株式に連動する国内上場投資信託は、出来高及びベンチマークとの乖離の観点から投資対象としては不適当と判断していますので、今回は取り上げていません。

最後に、個人型DCの運用商品には今まで米国株式インデックスファンドは取り扱われていませんでしたが、今回SBI証券の運用商品に上記のiFreeNYダウ・インデックスが加わりました。